2026年10月20日掲載/令和8年分の年末調整
年末調整は、給与から差し引いた所得税等と、その年に納めるべき税額を精算する大切な手続きです。年末に慌てないために、会社側の段取りと従業員への案内を早めに整えておきましょう。
1.社内の提出期限と担当者を決める
まず、年末調整を行う給与の支給日から逆算し、書類の配付・回収、不備の確認、計算、還付・徴収までの日程を決めます。給与計算を外部に依頼している会社は、依頼先への資料提出日も確認してください。
進め方の例として、10月中に担当者と必要書類を整理し、11月中に従業員から回収、12月の計算前に不足資料を確認する流れが考えられます。これは社内準備の目安であり、法定の提出期限ではありません。会社の給与日程に合わせて、確認や差し戻しの時間を確保しましょう。
2.その年分の申告書と証明書を案内する
必要な書類は従業員ごとに異なります。国税庁の最新様式を使い、対象となる人へ次の書類を案内します。
- 扶養控除等(異動)申告書:令和8年分の異動・記載内容を確認します。翌年の給与計算用に令和9年分を回収する場合は、年分を混同しないようにします。
- 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書:本人や配偶者・親族の所得見積額などを確認します。
- 保険料控除申告書と、生命保険料・地震保険料、国民年金保険料など、適用する控除に応じた証明書等。
- 住宅ローン控除を年末調整で受ける人の申告書・残高情報等:証明書方式か調書方式かによって確認する資料が異なるため、本人の状況に合わせて案内します。
紙で提出するか、電子データで提出するかも先に決めておくと、回収漏れを防ぎやすくなります。
3.中途入社者と扶養情報を早めに確認する
年の途中で入社した人には、今年中の前職の給与の有無を確認します。前職で扶養控除等申告書を提出して受けた給与がある場合は、その分を含めて精算するため、前職の源泉徴収票を早めに提出してもらいましょう。必要な金額を確認できない場合には、年末調整ができないことがあります。
また、結婚・出産・家族の就職や退職などの異動、本人や家族の年間所得の見積りも確認します。「前年と同じ」と決めつけず、変更があれば担当者へ申し出てもらうよう案内してください。年末調整後に年内の扶養情報等が変わった場合も、再計算などが必要になることがあります。
4.令和8年分の改正に給与ソフトを対応させる
令和8年分は、基礎控除や給与所得控除の見直し、扶養親族等の所得要件の改正、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例などに注意が必要です。
給与ソフトの年末調整機能が令和8年分に対応しているか、更新内容と設定を確認しましょう。前年の計算表や判定基準をそのまま使わず、国税庁の令和8年分の案内と照合することが大切です。
5.会社側の給与資料と回収状況を整理する
給与台帳や源泉徴収簿を整え、給与・賞与、源泉徴収税額、給与から控除した社会保険料等の記録を確認します。対象となる給与の年分は、単に振込日だけで判断せず、支給日の定めなども確認してください。
従業員ごとに「提出済み」「不足あり」「確認中」を一覧にし、資料の不足を早めに解消しましょう。税理士へ依頼する場合も、給与資料と申告書・証明書類をまとめて渡すと確認が進みます。
早めの準備で、年末の事務負担を減らしましょう
年末調整をスムーズに進めるには、書類の回収だけでなく、社内の日程と役割分担を決めておくことが大切です。必要書類や個別の取扱いで迷う場合は、計算の直前ではなく早めに確認しましょう。
ホライズン税理士法人では、法人の税務・会計や年末調整に関するご相談を承っています。初回のオンライン相談は無料です。お問い合わせはこちらからお気軽にご相談ください。
参考情報
- 国税庁:年末調整がよくわかるページ(令和8年分)
- 国税庁:各種申告書・記載例
- 国税庁:源泉徴収義務者(給与の支払者)の方へ
- 国税庁:中途就職者の年末調整
- 国税庁:年末調整の対象となる給与
- 国税庁:年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき
※本記事は2026年10月20日時点で確認した国税庁の公表資料に基づく一般的な案内です。適用要件や必要書類は個々の状況によって異なります。実際の手続きでは、最新の公表資料をご確認のうえ、ご不明点は税理士等へご相談ください。