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コラム

合同会社の役員賞与 ― 届出の前に定款を確認しましょう

合同会社で役員賞与を検討している場合は、まず定款を確認し、必要に応じて変更・整備を検討しましょう。

役員賞与を「事前確定届出給与」として法人税の計算上の経費(損金)にするには、届出書を出すだけでは足りません。支給日・金額を事前に決め、期限内に届け出て、そのとおりに支給することが基本です。

■ なぜ、定款の確認が大切なのでしょうか

合同会社の業務執行社員には、株式会社の取締役のような法定任期がありません。そのため、賞与の対象となる職務の期間や、届出期限の基準となる開始日が分かりにくいことがあります。

「毎年、誰が、いつ、どの期間の報酬を決めるのか」を、定款と実際の手続きから説明できるようにしておくことが大切です。

東京国税局は、令和7年2月7日付の文書回答(同月28日公表)で、定款に任期を定め、定時社員総会で賞与を決める会社の事例について、一定の取扱いを認めています。

※「社員」は従業員ではなく出資者である構成員を指します。本稿の対象は、法人税法上の役員に該当する業務執行社員です。

■ 定款と運用で確認したい3つのポイント

① 報酬を決める定時社員総会の時期

決算を確定・確認したうえで、届出期限に間に合う時期に定時社員総会を開催し、記録を残す仕組みを確認します。同じ総会で決算を確定する場合も、その後に賞与を決める順序を明確にします。

② 業務執行社員の任期・職務執行期間

文書回答と同様の整理を採る場合は、任期と、毎年の賞与に対応する職務執行期間・開始日を明確にします。定款に必要な定めがあるか、実際の運用と合っているかを確認しましょう。

③ 報酬・賞与を決める方法

誰の同意で報酬や賞与を決めるかを確認します。文書回答の事例では、対象者ごとの支給日・金額を総社員の同意で決めています。定款の手続きと、議事録・同意書の内容をそろえましょう。

これらは文書回答を参考にした確認項目です。任期10年や同一の定款規定が、すべての合同会社に必須という意味ではありません。

■ 不足があれば、賞与を決める前に整備を

定款と運用に不足や食い違いがある場合は、次の順で準備を進めましょう。

  1. 現行の定款と過去の報酬決定記録を確認
  2. 必要な定款変更・手続きを専門家と検討
  3. 対象者ごとの支給日・金額を決定し、記録
  4. 期限内に届出を行い、届出どおりに支給

定款変更は、定款に別段の定めがある場合を除き、原則として総社員の同意が必要です。後から定款や議事録を整えれば、過去の決定までさかのぼって認められるわけではありません。

■ 定款を整えた後も、期限と支給に注意

通常の届出期限は、原則として次のうち早い日です。

  • 決議日から1か月を経過する日(職務執行開始日が先なら、その開始日から1か月を経過する日)
  • 会計期間開始日から4か月を経過する日

一定の申告期限延長の指定等がある場合は別の取扱いがあります。今回の文書回答は新設法人ではない会社が前提です。新設法人が設立時に開始する役員の職務について定める場合は、原則として設立日から2か月以内です。

届出額と実際の支給額が異なる場合は、原則として実際の支給額全額が損金不算入となります。支給日の変更にも注意が必要です。変更届は自由な変更を認めるものではなく、変更事由や期限の確認が必要です。

また、不相当に高額な部分は損金にできません。源泉所得税等や社会保険料の計算、賞与支払届などの手続きも準備しましょう。

■ 定款の確認からご相談ください

重要なのは、自社の定款と報酬決定の仕組みを、賞与を決める前に整えておくことです。

必要な対応は、定款、社員構成、過去の報酬決定方法によって異なります。「この定款なら必ず認められる」とは限りません。定款や議事録をご用意のうえ、支給決定前に専門家へ確認しましょう。

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