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コラム

【2026年】年末調整は何が変わった?図でわかる4つの変更点

年末調整の時期が近づいてきました。2026年は、昨年に続いて控除額や扶養の判定基準が変わります。会社の経理・給与担当者が確認したい変更点を、図と表で整理しました。

まずは全体像。今年の主な変更は4つ

確認する項目 2025年分 2026年分
基礎控除 所得に応じて最高95万円 所得に応じて最高104万円
給与所得控除の最低保障額 65万円 74万円
扶養親族等の所得要件 合計所得58万円以下
給与だけなら年収123万円以下
合計所得62万円以下
給与だけなら年収136万円以下
23歳未満の扶養親族がいる方の一般生命保険料控除 新契約の控除上限4万円 新契約の控除上限6万円(特例)

※概要の比較です。各控除には所得・年齢・契約区分等の要件があります。給与収入と所得金額は別の数字です。生命保険料控除全体の上限12万円は変わりません。

① 基礎控除は「全員104万円」ではありません

基礎控除額は、本人の1年間の合計所得金額によって変わります。給与以外の所得がある方は、それも含めた見積額の確認が必要です。

本人の合計所得金額 2025年分 2026年分
132万円以下 95万円 104万円
132万円超~336万円以下 88万円
336万円超~489万円以下 68万円
489万円超~655万円以下 63万円 67万円
655万円超~2,350万円以下 58万円 62万円

会社では、今年用の基礎控除申告書を回収し、所得見積額に合う控除額か確認しましょう。前年の控除額をそのまま転記しないことが大切です。

② 給与所得控除は「給与収入から差し引く金額」

まず、給与収入は税金や社会保険料を引く前の給与・賞与の合計、給与所得はそこから給与所得控除を引いた金額です。手取り額とは異なります。

給与収入 − 給与所得控除 = 給与所得

2026・2027年分は、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に増えます。すべての人の控除が74万円になるわけではありません。年間給与が220万円を超える方の給与所得控除は、今回変更されません。実際の年末調整では、今年用の国税庁の計算表を使います。

年間の給与収入 2025年分の給与所得控除 2026年分の給与所得控除
190万円以下 65万円 74万円
190万円超~220万円以下 給与収入 × 30% + 8万円
220万円超 給与収入に応じて計算 今回の改正による変更なし

例:年間給与130万円なら、130万円 − 74万円 = 給与所得56万円です。

同じ年収でも、税金の計算に使う「所得」が小さくなります。ここから基礎控除などを差し引いて所得税を計算します。給与収入のみの場合、74万円と基礎控除104万円を合わせた178万円が、本人の所得税の課税最低限となります。

図1:178万円の考え方(給与収入のみの場合)
給与所得控除

74万円

+ 基礎控除

104万円

= 合計

178万円

本人の所得税を考える基準です。家族の扶養に入れる収入の上限や、社会保険の扶養基準を示す数字ではありません。

③ 扶養は「家族の所得」と「誰の控除か」を確認

扶養の判定では、扶養される家族の所得を確認します。2026年分は、扶養親族等の所得要件が58万円以下から62万円以下へ変わります。給与だけの家族なら、給与収入136万円 − 給与所得控除74万円 = 所得62万円となるため、年収136万円以下が所得要件の目安です。

178万円:働く本人の所得税の基準
本人に所得税がかかるかを考える数字。

136万円:家族を扶養等に入れる所得要件の目安
家族を扶養する側が、控除を受けられるかを考える数字。

ただし、136万円を超えたら家族の控除がすべてなくなる、ということではありません。配偶者や19歳以上23歳未満の親族には、次の特別控除があります。

家族の区分 給与収入のみの場合(2026・2027年分)
扶養親族・同一生計配偶者等の所得要件 136万円以下
19歳以上23歳未満の親族:特定親族特別控除 136万円超~197万円以下
配偶者:配偶者特別控除 136万円超~207万円以下

※控除額は収入等に応じて変わります。年齢・生計関係などの要件があり、配偶者に関する控除は控除を受ける本人の所得も確認します。16歳未満の親族には所得税の扶養控除はありません。社会保険の扶養基準は別です。

例:19歳の子どものアルバイト収入が年間130万円の場合

2026年は、給与収入130万円から給与所得控除74万円を引くと、子どもの所得は56万円になります。

扶養の所得要件である「62万円以下」を満たすため、生計を一にするなどの条件を満たせば、親が扶養控除を受けられます。

会社では、本人と家族の年間収入見込みを改めて確認し、新たに対象になる家族がいれば2026年分の扶養控除等(異動)申告書等を提出してもらいます。配偶者・特定親族の控除を受ける場合は、該当する兼用申告書も確認します。複数の勤務先の給与は合算し、副業や年金など給与以外の所得も確認しましょう。

参考:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」1~2ページ。上の給与収入換算は2026・2027年分の基準です。

④ 23歳未満の扶養親族がいる方は、生命保険料控除も確認

年齢23歳未満の扶養親族がいる方について、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の上限が、4万円から6万円に引き上げられます。2026・2027年分の特例です。

対象となる扶養親族の有無、契約区分、実際に支払った保険料を確認します。誰でも6万円控除になるわけではなく、一般生命・介護医療・個人年金を合わせた生命保険料控除全体の上限は12万円のままです。旧契約との併用も含め、控除証明書と今年の計算方法で確認しましょう。

会社はいつ、何をすればよいのでしょうか

図2:会社の対応は「11月に準備 → 12月に精算 → 翌年の税額表へ」
1|11月:書類を集める

今年用の申告書を配布。本人・家族の収入見込みと控除証明書を確認。

2|12月:年末調整

改正後の控除で年間税額を計算し、これまでの源泉徴収税額と精算。

3|2027年1月以後

改正後の源泉徴収税額表に対応した給与計算へ。

基礎控除等の改正は原則2026年12月1日施行ですが、改正を反映した年末調整の書類を11月から回収して差し支えありません。11月までの毎月の源泉徴収事務に、今回の改正による変更はありません。

給与ソフトは「2026年の年末調整対応版」になっているかを確認します。12月の年末調整で使う控除・計算表と、2027年の毎月の給与計算で使う税額表を取り違えないようにしましょう。

会社向け・最終チェック

  • 2026年分の申告書を配布・回収したか
  • 本人と家族の年間収入・所得見込みを更新したか
  • 23歳未満の扶養親族と保険料控除の特例を確認したか
  • 給与ソフト・控除額・計算表を今年用に更新したか

年末調整の変更点や、従業員への案内方法で迷う場合は、早めにご相談ください。ホライズン税理士法人では、法人の税務・会計に関するご相談を承っています。初回のオンライン相談は無料です。

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書類の準備全般については、「年末調整に向けて会社が準備すること」もあわせてご覧ください。

※2026年11月3日時点の国税庁公表資料に基づく、主な変更点の概要です。個々の控除の適用は、本人・家族の所得や年齢等により異なります。

参考資料

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